朝日新聞『サザエさん』休載 ーー 長谷川町子が療養、連載は事実上の幕

【東京 2月21日】

朝日新聞朝刊で長く親しまれてきた4コマ漫画『サザエさん』が、本日掲載分を最後に休載に入ることが明らかになった。作者の長谷川町子が病気療養に専念するためで、編集部は当面再開時期を示していない。社内では「当面休載」としつつも、再開の見通しが立たねば連載終了となる可能性があるとの声も漏れる。読者からは「いつもの朝の顔が消える」と惜しむ声が出ている。

同作は戦後間もない夕刊フクニチに始まり、紙面を新夕刊、そして朝日新聞へ移しながら、磯野サザエフグ田マスオカツオワカメ波平フネらの暮らしを軽妙に描いてきた。昭和26年からは朝刊の定番となり、通勤客の手の中で「まず4コマ」と読まれてきたという。食卓の会話や近所づきあい、学校の小さな騒動は、物資不足の時代から高度成長の街並みまで、世相の移り変わりを映す鏡とも見られてきた。発行元の姉妹社にも問い合わせが相次ぎ、書店では単行本の動きが早まったという。

今朝の編集局では、刷り上がった紙面をめくる手が一瞬止まり、担当者が「まずは体を」と短く言ったと伝えられる。机には読者から届いた手紙が積まれていた。駅売りの売店では、見出しより先に4コマを探す読者が紙面を指でなぞり、最後のコマを見終えると黙って畳んだ。連載の行方は、作者の回復とともに注目される。

— RekisyNews 文化面 【1974年】

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