【東京 2月14日】
家庭の切り盛りに悩む婦人層を主な読者として、新しい実用雑誌『主婦之友』が今月、都内で創刊された。発行の母体は、昨秋より出版事業を始めた東京家政研究会で、創業者の石川武美が編集方針の中核に「暮らしに役立つ具体策」を据えたという。創刊号は家計の工夫、育児の心得、衛生や料理の実践など、日々の台所と居間に直結する記事を多く並べ、従来の読み物中心の雑誌とは趣を異にする。
書店では発売直後から女性客が足を止め、紙面をめくる姿が目立った。家計簿のつけ方や貯蓄の勘所など、家の内側で担われがちな務めを“技術”として言語化した点に注目が集まっている。編集部は今後、読者の投書を募り、暮らしの知恵を誌面に反映させる方針で、家庭生活の改善を掲げる運動体としての色彩も帯びそうだ。
一方で、実用一辺倒ではなく、女性の教養や子どもの情操にも配慮した記事立ても予告されており、家庭を支える「新しい読み物」として定着するかが焦点となる。出版界では、婦人向けの新雑誌が相次ぐ中、同誌がどこまで読者の心と財布をつかむか、当面の注目を集めている。
— RekisyNews 文化面 【1917年】
