【西ドイツ・ケルン 1月24日】
米国のジャズ・ピアニスト キース・ジャレット によるソロ公演「ザ・ケルン・コンサート」が24日夜、西ドイツ・ケルンの ケルン歌劇場 で行われた。完全即興によるピアノ独奏という異例の内容ながら、会場は満席となり、演奏後には長時間の拍手が続いた。
この公演は、当初予定されていたピアノが演奏に適さない状態であることが判明するという予期せぬ事態の中で幕を開けた。音域や響きに制約のある楽器を前にしながらも、ジャレットは演奏を中止することなく即興演奏を開始。反復的なフレーズと抑制された和声を軸に、次第に高揚感を増す独自の音楽世界を構築していった。
演奏は複数のパートに分かれ、静謐さと躍動感を行き来する構成となった。聴衆は息をのんで演奏に耳を傾け、即興音楽が持つ創造の瞬間を共有する空間が生まれたと伝えられる。関係者の間では、即興演奏の可能性を大きく押し広げた歴史的公演との評価も出ている。
この日の演奏は録音され、後日アルバムとして発表される予定で、ジャズのみならず現代音楽全般に大きな影響を与える作品になると期待されている。
— RekisyNews 文化面 【1975年】
