【レニングラード 1月22日】
ソビエト連邦の若き作曲家ドミートリイ・ショスタコーヴィチによる新作オペラ『ムツェンスク郡のマクベス夫人』が、本日、当地レニングラードで初演された。強烈な音楽表現と大胆な舞台描写を特徴とする本作は、初日から観客や音楽関係者の間で大きな反響を呼んでいる。
本作はロシアの文豪ニコライ・レスコフの小説を原作とし、地方商人の妻カテリーナが抑圧された生活の中で激情に駆られ、破滅へと突き進む姿を描く。ショスタコーヴィチはこの物語をもとに、不協和音を多用した鋭い管弦楽法や、激しいリズム表現を取り入れ、従来のロシア・オペラの枠を大きく踏み越えた。
初演を観た聴衆の反応は割れている。革新的で時代を象徴する作品として高く評価する声がある一方、あまりに露骨で過激だとして困惑を示す意見も少なくない。とりわけ、音楽と舞台が一体となって描く人間の欲望と暴力の表現は、観る者に強烈な印象を残した。
それでも、若干二十代後半の作曲家が生み出したこのオペラは、ソビエト音楽界に新たな方向性を示す試みとして注目されている。今後、本作が各地で上演され、どのような評価を受けていくのか、音楽界は固唾をのんで見守っている。
— RekisyNews 文化面 【1934年】
