【ローマ 1月14日】
イタリアの作曲家ジャコモ・プッチーニによる新作オペラ『トスカ』が本日、ローマのコスタンツィ劇場で初演された。フランスの戯曲を原作とするこの作品は、革命期のローマを舞台に、愛と権力、裏切りと犠牲を描いた三幕構成の悲劇である。
物語は、歌姫トスカと画家カヴァラドッシの恋愛を軸に、警視総監スカルピアの冷酷な支配と陰謀が絡み合う。拷問、脅迫、そして殺害といった過激な展開が次々と描かれ、従来のオペラにはない緊張感が舞台を支配した。プッチーニ特有の旋律美と劇的な管弦楽法は、登場人物の心理を鋭く浮かび上がらせている。
初演後、観衆の反応は賛否が分かれた。音楽の迫力と演劇性を高く評価する声がある一方、暴力的で写実的な内容に衝撃を受けたという意見も聞かれた。しかし、多くの批評家は、オペラ表現の新たな地平を切り開く意欲作である点で一致している。
『トスカ』は、歴史と政治の暗部を背景に、人間の情念を極限まで描き切った作品として、今後各地の劇場で上演されることが予想される。プッチーニが描き出したこの濃密な悲劇は、20世紀オペラの重要な一作として語り継がれる可能性を秘めている。
— RekisyNews 文化面 【1900年】
