【モスクワ 1月13日】
モスクワ音楽院大ホールで本日、作曲家セルゲイ・プロコフィエフによる交響曲第5番が初演された。大祖国戦争のさなかに行われたこの演奏会は、厳しい戦時状況の中にもかかわらず多くの聴衆を集め、音楽が持つ精神的支柱としての力を強く印象づけた。
交響曲第5番は、作曲者自身が「人間精神の自由と気高さ」を描いたと語る大規模な作品で、明快な旋律と重厚な管弦楽法が特徴とされる。初演はプロコフィエフ自身の指揮により行われ、緊張感に満ちた冒頭から、終楽章に至るまで力強い構成が聴衆を圧倒した。
演奏中、会場には空襲警報が鳴ることもなく、音楽に集中できたこと自体が象徴的であったと語る来場者も多い。終演後には長い拍手が続き、戦争による不安と疲弊の中で、芸術が果たす慰撫と鼓舞の役割が改めて確認された形となった。
この交響曲は、ソビエト音楽の新たな到達点として、今後国内外で広く演奏されることが期待されている。
— RekisyNews 文化面 【1945年】
