宮中の雅が初めて茶の間へ 歌会始、テレビ中継で全国に伝わる

歌会始

【東京 1月12日】

宮中の年中行事である歌会始が、本日初めてテレビ中継され、全国の家庭にその様子が届けられた。これまで一般には文書や新聞報道を通じてのみ伝えられてきた行事が、映像を伴って公開されるのは史上初の試みである。

歌会始は、天皇・皇后をはじめ皇族方や選者、召人らが詠進した和歌を披露する格式高い儀式であり、平安以来の伝統を今に伝える。厳かな雰囲気の中で詠み上げられる和歌や、装束に身を包んだ参列者の姿は、これまで限られた場でのみ目にされてきた。今回の中継により、宮中文化の一端が初めて映像として国民に共有されることとなった

放送では、静謐な会場の空気や、朗詠の抑揚までが伝えられ、視聴者からは「伝統を身近に感じた」「和歌の世界に引き込まれた」といった声が寄せられている。放送関係者は、技術面での慎重な調整を重ね、儀式の厳粛さを損なわぬよう細心の注意を払ったとしている。

戦後、日本社会が急速に近代化する中にあって、長く受け継がれてきた宮中行事が新たな媒体を通じて国民と結ばれた意義は大きい。伝統と現代技術が交わったこの日の中継は、文化継承の新たな一歩として記憶されることになりそうだ。

— RekisyNews 文化面 【1962年】

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