【ベルリン 1月10日】
作曲家フェリックス・メンデルスゾーンによる新作カンタータ『最初のワルプルギスの夜』が本日、当地で初演された。本作は、ドイツ文学を代表する詩人ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの同名詩に基づくもので、異教徒が迫害を避けるために仮装し、キリスト教勢力を欺いて祭儀を守り抜くという物語を描いている。
演奏では、合唱と独唱、管弦楽が緊密に結びつき、暗鬱さと祝祭性が交錯する独特の音楽世界が表現された。特に合唱部分では、緊張感ある対話と力強い響きが聴衆の注目を集め、物語の象徴性を際立たせた。メンデルスゾーンは古典的形式を踏まえつつ、詩の思想性を音楽で明確に示そうとしたと評されている。
会場では、作品の文学的主題と音楽的完成度について活発な議論が交わされ、若き作曲家の精神的成熟を示す一作として高く評価する声が多かった。一方で、宗教的寓意を含む題材に対する解釈の幅広さから、今後も賛否が分かれる可能性が指摘されている。
今回の初演は、メンデルスゾーンが声楽作品の分野でも確かな地位を築きつつあることを印象づける出来事となった。
— RekisyNews 文化面 【1833年】
