太平洋を結ぶ電信ケーブル完成──サンフランシスコとハワイ、初の直結回線が開通

【サンフランシスコ 12月14日】

本日、Commercial Pacific Cable Company により、アメリカ本土サンフランシスコとハワイ諸島を結ぶ初の太平洋横断電信ケーブルが敷設された。これにより、太平洋の両岸を隔てていた通信の壁が大きく取り払われ、政治・商業・軍事いずれの分野においても迅速な連絡が可能となる。開通式では、ケーブルの陸揚げを見守った関係者らから歓声が上がり、長年の計画がついに実現したことが祝われた。

これまでアジアや太平洋地域への通信は、遠回りな経路や無線の不安定さに依存していたが、今回の開通により、数千キロの海底を貫く一本の線が、瞬時に情報を届ける時代の幕を開いた。敷設作業は荒波と深海に阻まれながらも、専門技術者らが長期間にわたり慎重に進めてきたもので、海底地形を読みながらケーブルを正確に敷設する職人技が光った。

さらに、同社は将来的にハワイからグアム、さらにフィリピン方面への延伸も視野に入れており、太平洋全体を網羅する通信網の構築が期待されている。アメリカ政府関係者は「太平洋の時代が始まる」と述べ、今回の通信網の完成が国際関係にも新たな影響を及ぼす可能性を示唆した。

— RekisyNews 科学面 【1902年】

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