【東京 12月11日】
本日、日本政府は新たな 銀製の百円硬貨 の発行を開始し、各地の銀行や郵便局での交換が始まった。これまでの百円紙幣に代わる高額硬貨として位置づけられた新貨は、表面に 翼を広げたフェニックス(鳳凰) を配した意匠となっており、戦後復興から成長期へ向かう日本の新しい象徴として期待されている。
百円硬貨は、銀60%・銅30%・亜鉛10%の合金 で鋳造され、直径約22.6ミリ、重さ4.8グラム。従来の百円紙幣と併行して使用されるが、耐久性に優れ、長期的には紙幣を置き換えていく方針とされる。 造幣局はすでに大量生産体制を整えており、年末の歳末商戦や賞与支給期にも十分対応できる見通しだ。
デザイン面では、表側中央のフェニックスを取り囲むように「日本国」「百円」の文字が刻まれ、裏側には鏡を模した意匠と年号・額面が配されている。 フェニックスは再生や吉兆を意味する図柄として知られ、戦後から立ち上がった日本の歩みを象徴するものとも受け止められている。
都内の銀行窓口には朝から多くの市民が列をつくり、「記念に数枚とっておきたい」「銀色の輝きがきれいだ」といった声が聞かれた。一方で、「紙のほうが慣れていて使いやすい」として、しばらくは様子を見守るという人も少なくない。小売店の店主は、「お釣りが出しやすくなる反面、レジの整理も変えねばならず慣れるまでは一苦労だ」 と戸惑いをにじませた。
大蔵省関係者は、百円硬貨の導入について「流通量の増大に対応するとともに、貨幣制度の近代化を図るものだ」と説明している。 将来的には、他の高額券についても硬貨化が検討される可能性があり、本日の発行はその第一歩と位置づけられそうだ。
戦後日本の財布に新たに加わったフェニックスの百円硬貨は、これからの日常の買い物や貯金箱の中で、“成長する日本”を映し出す存在となっていくに違いない。
— RekisyNews 経済面 【1957年】
