【東京 12月4日】
本日、NECホームエレクトロニクスは、家庭用ゲーム機としては世界で初めて CD-ROM媒体を採用した拡張システム「CD-ROM²(シーディーロムロム)」 を発売した。PCエンジン本体に接続することで大容量ゲームソフトを再生できる革新的な装置であり、ゲーム業界では「家庭用ゲームの歴史を変える発明」と大きな注目を集めている。
CD-ROM² は、従来のHuカード(ROMカード)では容量が限られていた音声・映像表現を一気に拡張し、CDの大容量を活かしたアニメーション、デジタル音声、BGMによる演出が可能。開発者からは「これまでの制約を超えたゲーム作りができる」と期待の声が上がっている。
発売初日の今日、秋葉原や大阪日本橋の電気街では開店前から行列ができ、店頭デモ機の前には人だかりが絶えなかった。ゲームファンの男性は「アニメがそのまま動いているみたいだ」「音楽の迫力がまったく違う」と興奮した様子で語り、若いカップルも「映画のようなゲームが家で遊べる時代になった」と驚きを見せた。
ローンチタイトルには、アニメーションを全面に押し出した『ファイティングストリート』や、サウンド演出が強化されたアドベンチャーゲームなどが並び、従来のゲームでは難しかった表現が次々と実現。ゲーム雑誌編集者は「制作者のアイデア次第で、新しいジャンルが生まれる可能性がある」と分析している。
一方、装置価格が本体と合わせて高額になる点を懸念する声もある。しかし、NEC側は「CDソフトは製造コストが安く、長期的には消費者にとってメリットが大きい」と説明。家電業界からも「音楽プレーヤー技術をゲームに応用した画期的試み」と評価する意見が多く寄せられている。
“大容量ゲーム”という未踏の領域に踏み出したCD-ROM² は、今後のゲーム制作やプレイ体験を大きく変える存在となるだろう。今日の発売は、家庭用ゲーム機が映像と音の新しい時代へ向けて歩み始めた象徴的瞬間である。
— RekisyNews 文化面 【1988年】
アイキャッチ画像 Jzh2074John Cummingshttps://en.wikipedia.org/wiki/ja:User:VICHotaru3 – File:NEC_PC-Engine_(1987)_1.jpgFile:OnLive_controller.jpgFile:OnLive_MicroConsole_TV_Adapter_end_1.jpgFile:PC_Engine_Duo-RX.jpgFile:V.Flash_Console.jpg, CC 表示 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=140962580による
