白泉社、本日創立──新潮流を担う若い出版社が誕生

【東京 12月1日】

本日、東京都内において新たな出版社 「白泉社」 が正式に設立された。講談社グループから独立した形で発足した同社は、マンガ雑誌・児童書・文芸書の発行を中心とし、新しい出版文化の担い手となることを掲げている。

白泉社は、これまで講談社が発行してきた若者向け雑誌の編集陣を母体としており、出版市場の変化に応じた柔軟な編集体制を目指すという。創立発表の席で関係者は、「読者の価値観が多様化する時代にふさわしい作品づくりを進めたい」と語り、既存の枠にとらわれない誌面作りを強調した。

同社がまず刊行するのは、月刊少女漫画誌『花とゆめ』と、その派生誌となる新青年向け雑誌『別冊花とゆめ』(創刊準備中)。少女向け漫画市場が急成長する中で、同社は「物語性の強い作品」「独自性の高い新連載」に力を入れ、読者層の拡大を狙うとしている。編集部によれば、すでに複数の若手作家との契約が進んでおり、「新しい才能の発掘」を創立時の大きな目標に掲げている。

また、児童向け読み物や文庫レーベルの展開も予定されており、出版不況の懸念が高まるなかで「幅広いジャンルで読者に寄り添う出版社」を目指す姿勢が示された。会場に訪れた書店関係者は、「新しい出版社の誕生は業界に活気を呼び込む。特にマンガ分野での存在感が増すだろう」と期待を寄せた。

一方で、出版市場は紙不足や流通コストの上昇など課題も抱えており、創立間もない白泉社にとって安定した誌面作りと継続的な発行体制の構築が求められる。担当者は「小規模からでも質の高い作品を届け、信頼される出版社を目指したい」と意欲を見せた。

今日誕生した白泉社が、これからの出版界にどのような風を吹き込むのか注目される。若い創作陣と新しい編集方針が、次代の読者を魅了するかどうか、期待は高い。

— RekisyNews 文化面 【1973年】

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