【東京・日本橋 12月1日】
本日、日本橋三越の食堂部にて、子ども向けの特別料理として名付けられた「お子様ランチ」が初めて提供され、開店直後から多くの親子連れが訪れた。彩り豊かな洋食を一皿にまとめた新しい形式の料理は、これまでになかった趣向として注目を集め、食堂は昼前から賑わいを見せた。
この「お子様ランチ」は、オムライス、ハンバーグ、コロッケ、ウインナー、プリン、野菜の付け合わせなど、子どもが好む洋食を小さめのポーションで盛り合わせたもので、皿の端には旗が立てられ、見た目にも楽しげな工夫が施されている。三越の担当者は「子どもたちが“自分の料理”を持つ喜びを感じられるようにした」と新企画の狙いを説明した。
正午を迎える頃には、食堂入口に行列ができ、席に案内された子どもたちは、色鮮やかな皿を前に目を輝かせていた。幼い息子を連れた母親は「いろんな味を少しずつ食べられるのが嬉しいみたい」と語り、別の客は「旗が立っているだけで特別な気分になるようだ」と笑顔を見せた。
三越では、近年増えつつある洋食人気を背景に、家族で楽しめる食事の形を模索してきたという。洋食は大人の外食としての印象が強かったが、担当者は「子どもが洋食に触れるきっかけをつくりたかった」と述べ、家庭ではなかなか作れない盛り合わせの魅力を強調した。
一方で、一皿に多品目を盛り込むため調理の手間が増える点が課題となるが、厨房スタッフは「子どもの笑顔を見るとやりがいがある」と語り、新しい名物になる可能性も指摘されている。
本日の反応を見る限り、「お子様ランチ」は三越食堂の新たな看板料理となりそうだ。昭和の都市生活が広がる中で、家族連れの楽しみがまたひとつ増えた形であり、今後ほかの百貨店や洋食店にも広がるか注目される。
— RekisyNews 社会面 【1930年】
