テキサス州ワコーに新飲料登場──“ドクターペッパー”と名付けられた不思議な一杯

発明者のチャールズ・C・アルダートン

【ワコー(テキサス州) 12月1日】

本日、テキサス州ワコーの街角にある薬局「モリソンズ・オールド・コーナー・ドラッグストア」で、チャールズ・オルダートン薬剤師が調合した新しい炭酸飲料が客の前に姿を現した。店主ウェイド・モリソン氏は、この独特の風味を持つ飲み物に「ドクターペッパー」と名を与え、ソーダファウンテンでの提供を始めた。

オルダートン氏は、これまでも薬局の片隅でさまざまな香料を試してきたが、今回の配合はとりわけ好評で、常連客の間では「いつものあの一杯を」と注文が相次いでいる。甘さの中にスパイスのような香りが立ち、一口ごとに違う表情を見せる複雑な味わいが特徴だ。飲み終えた客がすぐにおかわりを求める姿も見られ、店内は新しい飲み物の話題でもちきりとなった。

店主のモリソン氏は、「薬だけでなく、街の人が楽しみに集まれる場所にしたいと思ってきた。この飲み物はその象徴になるかもしれない」と語る。今のところ提供は店内のソーダファウンテンに限られているが、評判が高まれば、瓶詰めにして周辺の店にも広げたい意向だという。

一方、保守的な客の中には「いったい何の味なのか分からない」と戸惑う声もあり、地元紙の記者は「これが一時の流行で終わるのか、新しい名物となるのかはまだ判断しがたい」と冷静に評している。それでも夕刻のカウンターには、新しい飲み物を試そうとする若者や家族連れが次々と集まり、賑わいは増すばかりだ。

この一杯は、いまはまだワコーの小さな薬局の中だけの出来事に過ぎない。だが、後年、きょうの日付が“ドクターペッパーが初めて客に供された日”として記録に残ることになるかもしれない。南部の小さな街で生まれたこの飲料が、どこまで人々の暮らしに根づくのか、静かな興味が寄せられている。

— RekisyNews 経済面 【1885年】

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