エジソン氏、新発明「蓄音機」を披露──人の声が機械からよみがえる衝撃

【メンロパーク 11月29日】

米国ニュージャージー州メンロパークにて、本日、発明家トーマス・エジソン氏が自ら考案した新装置「蓄音機」を初めて公開した。金属筒に音を刻み込み、それを再生することで声や音楽を“記録して残す”という全く新しい原理が示され、現場には驚きと熱気が満ちた。

装置は手回し式の円筒に錫箔を巻き、振動板と針を用いて音を刻む仕組みである。エジソン氏は試演の冒頭で「メリーさんの羊」を口ずさみ、続いて円筒を回転させると、機械からほぼそのままの声が響き出した。集まった新聞記者や技術者たちは思わず席を立ち、会場はどよめきに包まれた。

これまで音はその瞬間にしか存在しないものとされてきたが、蓄音機はそれを時間の枠から解き放つ装置として大きな意義を持つ。試演を見た来場者の一人は「まるで声に魂が宿って帰ってきたようだ」と語り、驚きを隠せない様子であった。また、教育や音楽、公文書の記録などへの応用も早くも話題となっている。

エジソン氏は、「これは始まりにすぎない。音を残す技術は今後、さまざまな用途に広がるだろう」と述べ、さらなる改良と製品化への意欲を示した。研究所周辺では、夜になっても見学希望者が列を作り、技術の新時代の幕開けを目にしようとする熱気が続いている。

本日の公開は、音の記録という未踏の分野を切り開く歴史的瞬間として、国内外の発明家や産業界に大きな波紋を広げることになりそうだ。

— RekisyNews 科学面 【1877年】

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