德陽シティ銀行、経営破綻──東北の有力地銀に激震走る

【仙台 11月26日】

宮城県を地盤とする地方銀行・德陽シティ銀行(本店:仙台市青葉区)が26日、経営破綻を発表した。戦後最大級の地方銀行破綻となり、東北地方の金融・経済界に衝撃が走っている。

德陽シティ銀行は、戦前に設立された仙台無尽株式会社を起源とし、戦後は德陽相互銀行を経て1991年に普通銀行へ転換した。宮城県を中心に東北地方に広く店舗網を展開しており、長年にわたって地元経済を支えてきた。

しかし、バブル期の不動産融資などの過剰与信が裏目に出て、多額の不良債権を抱える結果に。その後も不良債権処理が進まず、自己資本比率が急激に低下。近年は金融庁から業務改善命令を受けるなど、経営の不透明さが指摘されていた。

同行の破綻は、同年11月に発生した三洋証券、北海道拓殖銀行の破綻に続く大型金融機関の連鎖破綻の一端をなすもので、「金融不安の第2波」として、全国の地方銀行にも緊張が走っている。

金融監督当局は、預金保護や債権保全のための緊急対応を発表するとともに、破綻処理の受け皿となる金融機関の調整に着手した。地元では「取引先の中小企業や個人預金者への影響を最小限にとどめてほしい」との声が相次いでいる。

— RekisyNews 経済面 【1997年】

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