“撮ってすぐ見える”未来の技術──ポラロイド社、即時現像カメラを発売

【マサチューセッツ州ケンブリッジ 11月26日】

ポラロイド社(Polaroid Corporation)は26日、世界初のインスタントカメラ「ポラロイド・ランド・カメラ」を公式に発売した。撮影からわずか1分以内に写真が現像されるという、これまでの常識を覆す革新的な製品である。

開発したのは、創業者で発明家でもあるエドウィン・H・ランド博士。このカメラは、フィルム内部に現像液を組み込んだ特殊な構造をもち、撮影後にカメラ本体からフィルムを引き出すことで、自動的に現像処理が始まる仕組みとなっている。

初号機「Model 95」は、米国内の一部デパートで先行販売され、当日は用意された全台数が即日完売したという。価格は約90ドルで、やや高価ではあるものの、専門的な暗室や現像所を必要としない手軽さは、旅行者や家族連れ、ジャーナリストなどから早くも熱い関心を集めている。

ランド博士は発売にあたり、「人々が“その場で記録を手にする”ことができれば、写真の役割はより日常的かつ創造的なものとなる」と語っており、将来的には一般家庭にも普及させたいとの展望を示した。

ポラロイドの即時現像技術は、今後の写真文化そのものを変える可能性を秘めており、新たな時代の幕開けと位置づけられている。

— RekisyNews 科学技術面 【1948年】

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