【東京 11月23日】
本日、玩具メーカー大手の株式会社バンダイが新たな携帯型電子ゲーム『たまごっち』を全国で発売した。手のひらサイズの小さな液晶画面に、宇宙からやってきた生命体を育てるという斬新なコンセプトが話題を呼び、各地の玩具店では開店前から長蛇の列ができるなど、異例の熱気に包まれた。
『たまごっち』は、卵型のケースに3つのボタンがついたシンプルな設計で、ユーザーは孵化したキャラクターにエサを与えたり、トイレを掃除したり、病気を治療したりしながら成長を見守る。育て方によって最終的な姿が変化する点が特徴で、いわば“電子ペット”としての要素を備えている。
定価は1,980円（税別）。主に小学生の女子層をターゲットとして開発されたが、大学生や社会人の女性層にも波及する兆しがあり、今後さらなるヒット商品となる可能性を秘めている。
バンダイ関係者によれば、当初の出荷数は控えめだったものの、発売前から雑誌やテレビで取り上げられ、予約が殺到。早くも追加生産が決定したという。販売店では「久しぶりに行列を見た」「次回入荷は未定」との声も上がっており、年末商戦に向けて大きな話題を呼びそうだ。
デジタルと感情が交差する──“育てる遊び”が、いま新たな形でポケットに生まれた。
— RekisyNews 経済面 【1996年】
アイキャッチ画像 Tomasz Sienicki [user: tsca, mail: tomasz.sienicki at gmail.com] – 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2169298による
