阪和銀行が経営破綻 戦後初の銀行倒産、金融界に衝撃広がる

【大阪 11月21日】

本日、大阪を本拠とする中堅銀行阪和銀行が深刻な資金繰り悪化のため営業を停止し、政府に対して破綻処理を申請した。銀行の経営破綻は戦後で初めての事態となり、金融界のみならず企業・家計に大きな動揺が広がっている。

阪和銀行はバブル期に不動産関連融資を急拡大させたが、地価下落と不良債権の累積により財務基盤が急速に悪化。ここ数週間は預金流出が続き、各金融機関との資金取引も細り、営業継続が困難な状況に陥っていた。関係者によれば、「自己資本比率の急落」「大口融資の焦げつき」が決定的な要因となったという。

今朝から本店前には預金者が列をつくり、職員が対応に追われる姿が見られた。預金者の一人は「まさか銀行が倒れるとは思わなかった」と不安を語り、企業関係者も「支払いに影響が出る」と懸念を示した。政府・日銀は午後、預金保護の方針を改めて強調し、混乱の沈静化を図っている。

金融当局は今後、阪和銀行の資産査定と受け皿先の選定を急ぐ。今回の破綻は、バブル崩壊後の不良債権問題が「もはや先送りできない段階」に達したことを浮き彫りにした。金融界では「他行への波及リスク」を警戒する声も上がり、制度の抜本的見直しを求める意見が強まっている。

— RekisyNews 経済面 【1996年】

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