アメリカ連邦準備銀行、各地で業務開始 新たな金融体制が始動

【ワシントン 11月16日】

本日、アメリカ合衆国で新たに設立された連邦準備銀行(Federal Reserve Bank)が全12地区で一斉に業務を開始した。昨年成立した連邦準備制度法に基づき、金融の安定化と信用供給の調整を目的とした中央銀行制度が正式に動き出した形である。

各準備銀行はボストン、ニューヨーク、フィラデルフィア、クリーブランド、リッチモンド、アトランタ、シカゴ、セントルイス、ミネアポリス、カンザスシティ、ダラス、サンフランシスコの12都市に設置。初日は加盟銀行との資金受け入れや帳簿整理が進められ、国庫金の取り扱いなど新制度に沿った事務が開始された。

これまでアメリカの金融制度は民間銀行に大きく依存していたため、恐慌時に資金が枯渇しやすいとの指摘が強かった。1907年の金融恐慌を契機に中央銀行創設の必要性が高まり、連邦準備制度はその回答として誕生した。今後は信用供給の調節や割引率の管理を通じ、金融秩序の維持が期待される。

財務省関係者は「国家経済の安全網が整った」と述べ、市場も安堵の気配を見せている。新たな制度が実際の景気変動にどう向き合うか、世界の金融界も注視している。

— RekisyNews 経済面 【1914年】

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