【ロンドン 11月14日】
本日、英仏海峡の地下に建設されたユーロトンネルを通じて、ロンドンとパリを結ぶ高速列車「ユーロスター」が正式に営業運転を開始した。初日の運行では、午前8時10分にロンドンのウォータールー駅を出発した列車が、3時間ほどでフランス・パリの北駅に到着し、鉄道による国際移動の新時代の到来を告げた。
ユーロスターは、イギリス、フランス、ベルギー3国の鉄道会社が共同で運営。最高時速300kmに達するTGVベースの車両は、全長50.5kmに及ぶユーロトンネル(チャネル・トンネル)をわずか20分程度で通過する。これにより、従来の飛行機やフェリーに代わる高速かつ環境負荷の少ない移動手段として注目を集めている。
乗客は、国境を越えても乗り換えなしで快適な車内サービスを享受できると好評で、ビジネス客や観光客を中心に早くも高い需要が見込まれている。現在はロンドン〜パリ、ロンドン〜ブリュッセルの2路線での運行が始まり、将来的には発着本数や接続都市の拡大も視野に入れているという。
建設から営業開始までに約10年を要したこの巨大プロジェクトは、欧州統合の象徴としても位置づけられており、今後の人と文化の交流をさらに促進することが期待されている。
— RekisyNews 交通面 【1994年】
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