【ニューヨーク 11月9日】
本日夕刻、アメリカ北東部およびカナダ東部の広範囲にわたり、かつてない規模の大停電が発生した。影響を受けたのはニューヨーク州、マサチューセッツ州、ペンシルベニア州など米国8州とカナダのオンタリオ州を含む地域で、推定3000万人以上が一時的に電力を失った。
停電は午後5時過ぎ、ニューヨーク州ナイアガラ発電所からの送電系統に異常が発生したことを契機に、次々と他の地域にも波及。エレベーターの停止、交通信号の消失、地下鉄の運転中止などにより、各都市では帰宅ラッシュの時間帯と重なって大混乱が発生した。
ニューヨーク市では市民が階段で高層ビルを上り下りし、警察官やボランティアが交通整理に追われた。地下鉄に閉じ込められた乗客の救出作業は数時間に及んだ。また、航空便やテレビ放送も一時中断されるなど、都市機能が広く麻痺した。
当局は現在、発電所の保護装置の誤作動による連鎖的な送電停止が原因とみて、詳細な調査を進めている。各地では徐々に復旧作業が進められており、明日には通常の生活に戻る見通しが示されている。
— RekisyNews 社会面 【1965年】
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