【東京 11月5日】
本日、日本国有鉄道(国鉄)は、東京・汐留駅と大阪・梅田駅の間で、日本初のコンテナ専用列車「たから号」の運行を正式に開始した。鉄道貨物輸送の近代化を象徴するこの試みは、今後の物流革新に向けた重要な第一歩と位置づけられている。
「たから号」は、12フィート鋼製コンテナを積載可能な専用貨車で編成された列車であり、従来のばら積み貨物に比べて積み降ろし作業の効率が飛躍的に向上。荷扱い時間や人員コストの削減にも大きな効果が期待されている。
また、注目すべきはその運行時間で、東京〜大阪間を10時間55分で結ぶ。これは従来の貨物列車よりも所要時間を短縮するものであり、時間指定輸送のニーズにも応えうる性能だ。
本日午前、汐留貨物駅で出発式が開催され、多くの報道陣と関係者が見守る中、「たから号」は定刻通り大阪に向けて発車。この列車には、鉄道技術者たちの努力と、戦後日本の流通インフラ強化への強い意志が込められている。
国鉄では今後、主要都市間にも同様のコンテナ輸送を拡大していく方針であり、“コンテナ時代”の幕開けを告げる一日となった。
— RekisyNews 経済面 【1959年】
