読売新聞、東京で創刊──庶民に開かれた日刊紙の新時代

【東京 11月2日】

本日、新たな日刊新聞「読売新聞」が東京で創刊された。発行は柴田昌吉、条野採菊らが設立した「日就社」によるもので、創刊号は半紙大の表裏2ページ建て。価格は一部1銭で、主に寄席や街頭で販売される形式が採られた。

「読売新聞」はその名のとおり、“世の出来事を読み売る”を理念とし、庶民向けに親しみやすく、娯楽性もある紙面構成が特徴。芝琴平町(現在の東京都港区虎ノ門周辺)に設けられた発行所から、初版数千部が刷られた。

創刊号では、時事記事のほか、講談、川柳、小話など、読み物としても楽しめる内容が並び、寄席の番組情報なども掲載されている。これまでの新聞が主に知識階級や政治関係者を対象としていたのに対し、読売新聞は明確に大衆向けを意識した内容となっており、早くも街頭で注目を集めている。

今後は発行体制の拡充や紙面内容の多様化を図るとされ、日々の暮らしに密着した「読んで楽しい新聞」としての成長が期待されている

— RekisyNews メディア面 【1874年】

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