岩崎弥太郎、九十九商会を設立──士族経営による海運商社が発足

【高知 11月2日】

本日、土佐藩出身の実業家・岩崎弥太郎氏が、当地にて「九十九商会(つくもしょうかい)」を創設した。これは、土佐藩の経済活動を背景に、海運事業を基盤とした商社としての出発を意味するものであり、今後の民間経済の展開に大きな影響を与えると見られている。

九十九商会は、明治政府の殖産興業政策に呼応しつつ、藩有船「夕顔丸」をはじめとする複数の蒸気船を用いて、大坂・東京・長崎間の物資輸送を担うことを目的とする。特に、従来は藩の管理下にあった航運事業を、士族主体の独立組織として再編成した点に革新性がある。

弥太郎氏はこれまで、藩政における商事顧問的な立場で活動しており、商才と実務に優れる人物として知られていた。今回の商会設立にあたり、「士族こそ商いに携わり、新時代の礎を築くべき」と語り、武士から商人への転身を象徴する一歩となった。

地元では早くも「弥太郎商会」との呼び名も広まりつつあり、今後の事業拡大が注目されている。この九十九商会は、将来的に全国規模の商社に発展する可能性も指摘されており、時代の節目を象徴する出来事といえる。

— RekisyNews 経済面 【1870年】

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