【ニューヨーク 10月31日】
本日、日本の大手不動産会社三菱地所株式会社が、アメリカ・ニューヨークの象徴的建築群であるロックフェラー・センターの大部分を買収したことが明らかとなった。取得額は約13億ドル(約1,950億円)とされ、これは日本企業による海外不動産取得として過去最大級の規模となる。
ロックフェラー・センターは、1930年代に石油王ジョン・D・ロックフェラー・ジュニアによって建設された高層ビル群で、全19棟に及ぶオフィスや商業施設、NBCの本社やラジオシティ・ミュージックホールなどを含む米国の象徴的文化遺産でもある。その中核部分を三菱地所が買収することで、日本資本の影響力がニューヨークの都市開発にも及ぶ形となった。
三菱地所は、同センターの過半を所有していたロックフェラー・グループ・インク(RGI)株式の80%を取得し、実質的な経営権を掌握。今後は、日本的な資本と経営手法を導入しつつ、現地の伝統や文化を尊重した運営を行う方針だという。
今回の買収について、アメリカ国内では一部で「日本による象徴的施設の乗っ取りではないか」とする声も上がっており、両国の経済的影響関係を象徴する出来事として注目を集めている。一方、日本国内ではバブル経済下での好調な企業活動の象徴として歓迎ムードが広がっている。
三菱地所の広報担当者は、「ロックフェラー・センターの歴史と価値を尊重しながら、長期的な視点で発展を支えていきたい」とコメントした。
— RekisyNews 経済面 【1989年】

 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			