【長野県臼田町 10月31日】
本日、長野県臼田町にて、文部省宇宙科学研究所(ISAS)による「臼田宇宙空間観測所」が正式に開設された。国内で最大規模となるパラボラアンテナを備えた本施設は、深宇宙探査機との通信を担う中核拠点として期待が高まっている。
観測所の目玉は、直径64メートルの大型パラボラアンテナ。この巨大な装置により、地球から数億キロメートル離れた宇宙探査機とのデータ送受信が可能となる。観測所の目的は、宇宙探査機の軌道追跡や遠隔操作、観測データの受信などを一手に担うことにあり、日本の宇宙科学の中核インフラとしての位置づけがなされている。
当初は来年以降打ち上げ予定の惑星探査機「さきがけ」や「すいせい」などとの通信に使用される見通しで、将来的には太陽系の外縁に挑む長距離ミッションも視野に入れている。
開設式に臨んだ研究所関係者は、「このアンテナは、日本の宇宙探査にとって“耳”とも“目”ともなる存在。将来、人類が太陽系の果てを目指す時、ここ臼田からの支援が必要不可欠となるだろう」と述べた。
今後、臼田観測所は宇宙航空研究開発機構(JAXA)への統合を経て、多くの探査機の通信拠点として機能することが見込まれており、日本の宇宙研究を支える静かなる司令塔として注目が集まっている。
— RekisyNews 科学技術面 【1984年】
アイキャッチ画像 Kohei Fujii – https://www.flickr.com/photos/khf_fjs/17090267969/, CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=80649884による

 
			 
			 
			 
			 
			 
			 
			