ついに登場、家庭にビデオ革命──日本ビクター、世界初のVHS方式家庭用ビデオデッキを発売

【東京 10月31日】

本日、日本ビクター(JVC)は、世界初となるVHS方式の家庭用ビデオテープレコーダ「HR-3300」を正式に発売した。これにより、一般家庭でもテレビ番組の録画や再生が可能となり、新たな映像メディア時代の幕開けを告げている。

VHS(ビデオ・ホーム・システム)方式は、同社が独自に開発したビデオ録画規格で、2時間の長時間録画が可能な点が最大の特徴。ライバル方式のベータマックス(ソニー製)に対抗する形で登場し、録画時間と使いやすさを武器に家庭市場への浸透を狙う。

発売された「HR-3300」は、標準のVHSカセットを使用し、テレビ番組の録画・再生に加えてタイマー録画やチャンネル選択機能も搭載。価格は約20万円前後と高額ながら、映像を「録って、観る」文化を家庭に根づかせる起爆剤となることが期待されている。

発売当日、都内の家電量販店では「映像を保存できるなんて夢のよう」と驚く声や、「子どもの成長記録に使いたい」と購入を決める主婦の姿も見られた。

ビクターは今後、VHS方式の国際展開を視野に、他社への技術ライセンス提供も積極的に行う方針。「VHS」は、世界の家庭にビデオ文化を根づかせる共通規格となる可能性を秘めている。

— RekisyNews 科学技術面 【1976年】

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