【東京 10月29日】
セガ・エンタープライゼスは本日、かねてより開発を進めていた新型家庭用テレビゲーム機「メガドライブ(MEGA DRIVE)」を日本国内で発売した。16ビットの高性能CPUを搭載し、アーケードゲームに迫る描画能力と処理速度を家庭に持ち込むことを目指した意欲的な製品となっている。
価格は21,000円(税別)。同時に発売されたローンチタイトルには、同社の人気アーケード作品を移植した『獣王記』や『スペースハリアーII』などがラインナップされ、ゲームファンの注目を集めている。
メガドライブは、モトローラ社製の16ビットCPU「MC68000」と、Z80サブCPUを搭載することで、スムーズな動作と音楽処理を両立。最大64色表示・水平スクロール機能など、当時としては飛躍的な映像表現が可能となっている。
特に、アーケードで人気の高いセガタイトルの移植が進む見込みで、「家庭でもアーケード級のゲーム体験を」というキャッチコピーのもと、熱心なゲーマー層を中心に大きな期待が寄せられている。
ゲーム機市場では、任天堂の8ビット機「ファミリーコンピュータ」が依然として主導権を握っているが、セガはこのメガドライブで次世代機戦争の先陣を切る形となった。さらに、来年以降にはNECの「PCエンジン」や、任天堂の次世代機投入も噂されており、家庭用ゲーム業界は激しい競争の時代に突入しようとしている。
— RekisyNews 経済面 【1988年】
