【ニューヨーク 10月24日】
ニューヨーク証券取引所は本日、未曽有の大暴落に見舞われ、市場関係者の間に深刻な動揺が広がっている。
いわゆる「暗黒の木曜日(Black Thursday)」と呼ばれるこの日、取引開始直後から売り注文が殺到し、わずか数時間で1,200万株以上が売却。株価は急落し、場内は混乱を極めた。
警察官が取引所に配置され、銀行幹部や証券会社の代表者が急きょ会議を開催するなど、パニックの収束に向けた動きが見られたが、終日混乱は収まらなかった。
とりわけ、鉄道株や自動車株など、これまで堅調だった基幹産業の銘柄の下落は、今後の米国経済への深刻な影響を予感させるものとなった。
この暴落の背景には、近年の株式投資ブームによる過剰投機、証拠金取引の乱用、実体経済との乖離があったと見られ、専門家の一部は「バブルの崩壊」との見方を強めている。
失業率の上昇や企業倒産、金融不安など、今後さらなる波及が懸念されており、今回の暴落は単なる市場調整ではなく、世界経済の転換点となる可能性も指摘されている。
市場関係者は「今はとにかく冷静さが必要だ」と呼びかけているが、週明け以降の相場にも厳しい視線が注がれている。
— RekisyNews 経済面 【1929年】
