テレビ普及へ大きく前進──郵政省、全国43局に予備免許を交付

【東京 10月22日】

本日、郵政省は全国のテレビ放送局43局に対し、テレビジョン放送の予備免許を一斉に交付した。これは、我が国のテレビ放送網の全国展開を目指す初の大規模な措置であり、昭和30年代にかけての急速なテレビ普及の端緒となる可能性が高い。

今回の予備免許交付により、東京や大阪などの大都市圏に加え、北海道から九州までの主要地方都市に新たな放送局が設置される予定。免許を取得したのは、民間企業による地元資本の新設局を中心とした事業者で、地域色を活かした番組編成が期待されている。

郵政省放送局長は会見で、「国民の教養、娯楽、情報伝達手段として、テレビは重要な役割を担う。地域格差の是正と民主主義の発展にも資するものである」と語り、今後の設備整備や電波調整を通じて早期の本放送開始を後押しする方針を示した。

この発表を受け、テレビ受像機の販売業界も活況を呈し始めており、庶民の家庭にもテレビが身近な存在となる時代が近づきつつある。映像による新たな情報文化の広がりに、国民の関心も高まっている。

— RekisyNews 社会面 【1957年】

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