【東京 10月19日】
本日、東京にて新たなアニメーション制作会社「タツノコプロダクション」が正式に設立された。設立に携わったのは、漫画家・演出家として活躍してきた吉田竜夫氏を中心に、実弟である吉田健二氏、吉田豊治氏の三兄弟。家庭内で構想されていた制作体制が、この日ついに法人として形となった。
社名の「タツノコ」は、創業者・吉田竜夫氏の名前にある「竜(たつ)」と、そのシンボルであるタツノオトシゴ(=竜の子)にちなんだもので、「未来を担う創造の子を育てたい」との思いが込められているという。
現在、日本のアニメ業界はテレビ向けアニメーションの拡大期にあり、東映動画や虫プロダクションなどと並び、タツノコプロもテレビを主戦場としたオリジナル企画を本格始動する予定。社内ではすでにいくつかの企画開発が進行中とされ、年内にも作品発表が期待されている。
吉田竜夫氏は、「子どもたちが夢中になれるアニメを、独自の世界観で送り出したい」と語り、新会社への意気込みを示した。
今後、タツノコプロがどのような作品群を日本の茶の間に届けるのか──注目が集まっている。
— RekisyNews 文化面 【1962年】