【東京 10月15日】
本日15日、株式会社メディアワークスが正式に設立された。角川書店出身の編集者らを中心とする新たな出版レーベルで、今後はライトノベルやコンピュータ関連書籍を中心に事業を展開していく方針を示している。
同社は、出版業界の細分化・専門化が進む中で、若年層やサブカルチャー志向の読者に焦点を当てた新しいジャンルの創出を目指す。特に注目されているのが、今後創刊予定とされる小説レーベル「電撃文庫」や、パソコン雑誌「電撃王」などのプロジェクトで、ゲームやアニメ、ライトノベルを包括するメディアミックス展開にも力を入れるという。
設立記者会見で代表取締役は、「若者が手に取りたくなる新しい本、時代の空気をつかんだ本を次々と送り出したい」と意気込みを語った。編集部門には、コンプティークやザ・スニーカーなど角川グループで実績のあるスタッフも参画しており、創刊ラインナップにも業界内の注目が集まっている。
出版不況の波が叫ばれる中ではあるが、マンガ・アニメ・ゲーム文化が隆盛を極める1990年代初頭という時代背景において、メディアワークスの挑戦は、既存の出版スタイルに一石を投じるものとなりそうだ。
— RekisyNews 経済面 【1992年】