日本初の都市型ケーブルテレビ、新宿で放送開始──日本ケーブルビジョン、地域情報の新時代へ

【東京・新宿 10月13日】

本日、日本初となる都市型ケーブルテレビ局「日本ケーブルビジョン放送網」が、新宿区内にて正式に放送を開始した。これは、大都市圏における電波障害対策と地域密着型メディアの創出を目的とした新たな試みであり、国内放送史において画期的な一歩といえる。

日本ケーブルビジョン放送網(略称:JCV)は、地上波の受信が困難な高層建築密集地域において、同軸ケーブルを通じてテレビ放送を配信する都市型CATV(ケーブルテレビ)サービスである。従来の地上波電波の難視聴地域への対策として、国や自治体も関心を寄せており、今回の開局はその先駆けとなる。

当面の対象地域は新宿区内の一部で、約300世帯をカバー。放送内容は、既存の在京テレビ局の再送信に加え、地域密着型の情報番組や自治体広報、教育・福祉に関する番組などを自社制作で放送する予定。住民からは「地元の情報がテレビで得られるのはありがたい」「映像も安定していて見やすい」といった声が上がっている。

関係者によれば、今後はチャンネルの多様化や、双方向的な情報サービスの実現も視野に入れているという。テレビが家庭に普及して約15年、都市部では電波障害への対応とともに、地域ごとの情報発信ニーズが高まっており、ケーブルテレビはその受け皿となる可能性を秘めている。

今回の試みが成功すれば、他都市への展開も現実味を帯びてくる。“見る”テレビから、“使う”テレビへの転換期が、静かに始まった。

— RekisyNews 社会面 【1968年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次