本田技研、低公害エンジン「CVCC」を発表 — 排ガス規制への革新的解答

【東京 10月11日】

本田技研工業株式会社(Honda)は本日、東京都内で記者会見を開き、世界初の画期的な低公害エンジン「CVCC(Compound Vortex Controlled Combustion)」の開発に成功したと発表した。

CVCCは、1970年代にアメリカで制定された世界最厳レベルの排ガス規制「マスキー法」に対応可能な内燃機関として注目を集めており、触媒装置を必要とせずに有害排出ガスを大幅に削減できる点が最大の特徴である。

会見に登壇した本田宗一郎社長は、「エンジンの構造を根本から見直し、日本の技術力で世界に挑む準備が整った。CVCCは次世代の環境エンジンだ」と力強く語った。

CVCCはプレ燃焼室方式を採用し、完全燃焼に近い状態を実現することで、一酸化炭素(CO)・炭化水素(HC)・窒素酸化物(NOx)の排出を劇的に抑制することに成功。開発に当たっては研究部門が一丸となり、数年にわたる試験と改良を重ねてきたという。

今後、CVCCエンジンは1973年に発売予定の小型車「シビック」への搭載が計画されており、日米両市場を視野に展開される見通し。

自動車産業全体が環境対応を迫られる中、日本発の技術が世界基準を塗り替える可能性があるとして、各国メーカーからも関心が寄せられている。

— RekisyNews 経済面 【1972年】

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