【東京 10月11日】
本日、三井財閥の中核機関として、新たに「三井合名会社」が設立された。これにより、三井家が直接管理していた広範な事業群を統括する法人組織としての財閥経営体制が正式に始動する。
今回の合名会社設立は、銀行・商社・鉱業など多岐にわたる三井事業の資本や人材の集中管理を目的としたもので、財閥の近代的経営形態への転換を象徴するものといえる。
注目される初代社長には、三井家総領家第10代当主の 三井高棟 氏が就任。また、経営実務を担う理事には政財界の重鎮らが名を連ねており、益田孝(鈍翁)氏も理事として参画。今後は財閥全体の意思決定を合名会社を通じて一元化し、迅速かつ強力な経営体制を目指すという。
これにより、三井銀行、三井物産、三井鉱山など主要企業への出資・監督機能を一括して担う「持株会社」的な位置づけとなり、財閥運営の近代化が本格化すると見られている。
今後は、三井財閥に続き、住友、安田など他財閥にも同様の法人化の動きが波及する可能性があり、日本の企業経営の潮流に大きな影響を及ぼすと予想される。
— RekisyNews 経済面 【1909年】