【ベルン 10月9日】
世界各国の郵便制度を統一し、国境を越えた円滑な通信を実現する国際機関「万国郵便連合(General Postal Union)」が、本日スイスの首都ベルンにて正式に発足した。
加盟国は、ヨーロッパ諸国を中心に米国、エジプト、そして日本を含む22カ国に及ぶ。
今回の合意は、「万国郵便条約」として取りまとめられ、各国間での郵便物の相互交換において、共通の料金、配送の優先順位、手数料の明確化などが取り決められた。 この画期的な枠組みにより、従来の煩雑な二国間協定に頼らずとも、加盟国間で円滑な郵便交換が可能となる。
会議は、スイス連邦の主導のもと、数か月にわたりベルンで開催されてきた。日本からも明治政府の代表が参加しており、近代国家として国際社会に加わる姿勢を内外に示した。
新たな郵便制度では、一律料金の導入により、遠隔地との通信費が大幅に抑えられることが期待されており、商業・外交・個人通信において多大な利便性が見込まれる。
なお、連合の本部は当面ベルンに置かれ、年次会合などを通じて加盟国間の連携強化が図られる予定。各国代表者の間では、本構想が「国際社会の結束と理解を深める第一歩」として高く評価されており、今後さらなる参加国の増加も予想されている。
通信の革命とも言える本連合の誕生は、人々の心と情報をより確実に結び、国家の枠を超えた理解の時代へと導く起点となるだろう。
— RekisyNews 国際面 【1874年】