英国ブラックプールで電気トラム開業、ヨーロッパ初の常設運行

【ブラックプール 9月29日】

本日、イングランド北西部の海浜都市・ブラックプールにて、ヨーロッパ初となる常設の電気駆動式路面電車「ブラックプール・トラムウェイ」が正式に営業を開始した。これは世界の都市交通史における画期的な一歩であり、同市の観光インフラに大きな影響を与えることが期待されている。

このトラムは、馬や蒸気を動力とせず、電力によって運行されるのが最大の特徴。車両には「中央第三レール方式(conduit system)」と呼ばれる仕組みが採用され、地面に設置されたレール間の溝から電力を供給する構造となっている。これは後のトロリーポール方式とは異なるもので、当時としては非常に先進的な技術であった。

設計は英国の技術者ホルロイド・スミスによって行われ、開業区間はブラックプール・ノース・ピアからサウス・ショアまでの約3マイル。初日の運行は順調で、多くの市民や観光客が「馬車より静かで快適」と高評価を寄せた。

本路線の成功は、都市交通の電化に向けた試金石となり、今後の欧州各都市の交通整備に影響を与えると見られている

— RekisyNews 科学・技術面 【1885年】

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