【東京 9月24日】
本日、東京帝国大学(本郷区)は、かねてより検討されていた女子学生の入学に関して、聴講生としての受け入れを正式に認可したことを発表した。これにより、創設以来男子のみを対象としてきた本邦最高学府に、ついに女性が学ぶ道が開かれることとなる。
今回の措置は、高等女学校を修了した女性の中に、より高度な学問を志す者が増加している社会的背景を受けたもので、大学側は「将来的な正式入学に向けた試み」として、まずは限定的に聴講生としての受け入れを行うという。対象は文学部を中心とした講義とされ、一定の学力と修養を備えた者に限って許可される見込みだ。
すでに女子高等師範学校(現 お茶の水女子大学)などで高等教育を受けた女性たちが多く輩出されており、彼女らの進学希望の声は年々高まっていた。今回の措置は、女性の社会進出と教育機会拡充の象徴的な一歩として、各方面から注目されている。
文部省関係者は、「国の将来を担う人材育成のためには、男女の別なく優れた才能に学問の機会を与えるべきである」と述べ、大学における女子受け入れの意義を強調。教育界からも歓迎の声が広がっており、「これを機に他大学も追随すべき」との意見も聞かれている。
ただ一方で、旧来の風習により「男女同席の講義は不適切」とする保守的な意見も根強く、今後の運用には慎重な姿勢も求められそうだ。
それでも、本日の決定は女性が学問の場に正面から参画する先駆けとして、我が国教育史に記される大きな一歩となるであろう。
— RekisyNews 教育面 【1920年】