【東京 9月14日】
本日、女子教育の先駆者として知られる津田梅子氏(37)が、東京市麹町区一番町にて「女子英学塾」を正式に開校した。これは、女子に対する本格的な英語および高等教育を提供する国内初の私立教育機関のひとつとして注目されており、同氏の長年の念願がようやく結実したかたちとなる。
女子英学塾は、英語・英文学を中心に、幅広い教養と実務的な能力を身につけさせることを目的としている。初年度の生徒は数名に限られるが、少人数精鋭の徹底した個別教育に力を注ぐ方針だという。
津田氏は、かつて岩倉使節団に随行して満6歳で渡米し、アメリカで10年以上の教育を受けた帰国子女。帰国後も女子英学教育に身を捧げ、華族女学校などで教鞭を執ってきたが、日本における女子教育の後進性と機会の乏しさを痛感し、自らの手で理想の教育機関を設立することを決意していた。
校舎は、木造二階建ての洋風建築で、教室のほか、寄宿舎も併設。津田氏自身も寄宿舎に寝泊まりしながら、生徒たちと寝食を共にする予定だ。教師陣には、在日外国人や英語に堪能な女性を積極的に招いており、実践的な英語教育の場が整えられている。
津田氏は、「知識だけでなく、人間としての品格と独立心を養うことが、これからの女子に求められる」と語り、塾の運営には私財を投じているという。
女性の社会的地位の向上と、国際社会で活躍できる女性の育成を目指すこの新たな試みは、今後の日本の女子教育の流れに大きな影響を与えることになるだろう。
— RekisyNews 教育面 【1900年】