東京・世田谷に新たな理工の拠点誕生──武蔵高等工科学校が開校

【東京 9月12日】

本日、東京府世田谷町にて、武蔵高等工科学校が開校式を挙行し、理工学教育に新たな光をもたらす拠点が誕生した。初年度は機械科、電気科、土木科の3学科が設けられ、将来の工業界を担う若者たちの育成が期待されている。

開校式には教育関係者や地元自治体の代表者らが列席し、「実学と人格の陶冶」を旨とする教育方針が校長より示された。校舎は木造ながら最新の実験設備を備えており、特に機械工学分野では東京帝大出身の教授陣による講義が予定されるなど、開校初日から高い関心が寄せられている。

本校は、関東大震災を契機に高まった都市再建や産業発展の機運の中で、中等教育と高等教育の橋渡しとなる技術者養成機関として設立されたものであり、実践的かつ創造的な教育が特徴とされる。

学生の一人は「将来は発電所の設計に関わりたい。ここで技術を学び、国の力になれれば」と意気込みを語った。

今後は理工系分野における人材育成のみならず、首都圏における科学教育の中心拠点としての成長が期待されている。

— RekisyNews 教育面【1929年】

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