【ワシントンD.C. 9月8日】
米国の首都ワシントンD.C.に、本日、総合文化施設「ジョン・F・ケネディ・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ(以下:ケネディ・センター)」が竣工した。暗殺された第35代アメリカ大統領ジョン・F・ケネディ氏の名を冠したこの巨大施設は、演劇・音楽・バレエ・オペラなど、あらゆる舞台芸術の発信拠点となることが期待されている。
ケネディ・センターの建設は、1963年のケネディ大統領暗殺を受けて開始された記念事業の一環で、連邦議会と国民からの寄付によって進められた。設計は著名建築家エドワード・ダレル・ストーンが手がけ、外観は白い大理石に覆われた堂々たる構え。ポトマック川沿いに位置し、国立記念施設群との調和も図られている。
施設内には約2,300席を誇る「オペラハウス」、多目的ホール「コンサートホール」、そして現代演劇向けの「エイゼンハワー・シアター」などを備え、今後はメトロポリタン・オペラやナショナル・シンフォニー・オーケストラなど、米国内外のトップ芸術団体による公演が予定されている。
竣工式にはケネディ元大統領の遺族や政府関係者が出席し、芸術を愛した故人の精神を讃える言葉が多数寄せられた。現地では早くも「アメリカ文化の新たな心臓部」として注目されており、教育プログラムや若手芸術家の支援機能も整備される見通しだ。
芸術と公共精神の融合を象徴する施設として、ケネディ・センターは今後のアメリカ文化政策の中核を担う存在となるだろう。
— RekisyNews 文化面 【1971年】