【北海道・狩勝峠 9月8日】
北海道を東西に貫く一大プロジェクトがついに結実した。鉄道院が推進していた狩勝トンネルが本日完成し、旭川から釧路までを結ぶ鉄路が正式に開通した。これにより、内陸の主要都市と太平洋側の道東地域が一本の鉄道でつながることとなり、物流・人流の劇的な変化が期待されている。
狩勝トンネルは、難所として知られる狩勝峠に掘削された延長1,250メートルの山岳トンネルで、工事は1905年から2年以上の歳月をかけて行われた。厳しい寒冷地での作業は困難を極めたが、技術者・工夫らの尽力によって無事貫通に至った。
この新路線は、既存の根室本線に組み込まれる形で、北海道内陸部と釧路・根室といった道東の港町との連絡を強化する。特に農産物や水産物の輸送において大きな利便性をもたらすほか、住民の移動や観光の活性化にも寄与するとみられている。
地元では祝賀ムードが広がっており、沿線の各駅では祝賀列車の出発式が行われ、多くの住民が手を振って新たな鉄路の門出を祝った。
鉄道院は今後も北海道の鉄道整備を継続し、本道の産業発展と生活の利便性向上に努める構えだ。
— RekisyNews 交通・経済面 【1907年】