【東京 9月7日】
即席麺市場に新たな一杯が加わった。明星食品株式会社は本日、新製品「明星チャルメラ」を全国一斉に発売。今や家庭に欠かせない存在となったインスタントラーメンに、独自のスープとパッケージデザインで新風を吹き込む一品が登場した。
「チャルメラ」は、夜鳴きそば屋のチャルメラ笛にちなんだ名前で、パッケージにも笛を吹く男性のイラストが描かれ、郷愁を誘うデザインとなっている。最大の特長は、ホタテエキスを効かせたあっさり系しょうゆ味スープ。開発担当者によれば、「家庭でも屋台のような味を楽しんでほしい」との思いを込めたという。
明星食品は、1950年代から即席めん事業に乗り出し、「チキンラーメン」の日清食品や「サッポロ一番」のサンヨー食品と並び立つ業界三強の一角を担う存在。「チャルメラ」はその戦略商品として位置づけられており、今後の主力ブランドとして大々的な展開が予定されている。
発売当日の今日、都内のスーパーや食料品店では早くも「チャルメラ」を手に取る主婦や学生の姿が見られ、「屋台の香りがして美味しかった」「値段も手頃」といった声が上がった。
これによりインスタントラーメン業界は、さらに多様化と激戦の時代へ。消費者の舌をつかむ商品開発競争が、ますます加熱しそうだ。
— RekisyNews 経済面 【1966年】