【東京 9月5日】
サッポロビール株式会社は本日、独自に開発した国産ホップ「ソラチエース(Sorachi Ace)」が正式に品種登録されたと発表した。日本国内では珍しい品種開発型のホップとして、今後のクラフトビール市場や輸出展開にも期待が寄せられている。
「ソラチエース」は1970年代後半に北海道空知郡上富良野町で育種を開始し、約10年の歳月をかけて開発された新品種。レモングラスやヒノキ、ディルを思わせる個性的かつ鮮烈なアロマが特徴で、これまでの国産ホップにはなかった香りと苦味のバランスが魅力とされる。
サッポロビールによれば、当初は国内向けに限定的に使用されていたが、アメリカのクラフトブルワリーがこの香りに注目し、逆輸入的に評価が高まったことで、国際的なホップ市場でも存在感を示すようになったという。
ビール業界関係者からは「国産ホップとして世界に通用する数少ない品種。ソラチエースの存在が日本産ホップの可能性を広げた」との声もあり、今後の展開が注目されている。
サッポロビールは今後、ソラチエースを使用した製品の開発や海外展開をさらに強化する方針で、「日本発のホップ文化」を世界に発信していくとしている。
— RekisyNews 経済面 【1984年】