【フロリダ 9月5日】
アメリカ航空宇宙局(NASA)は本日、惑星探査機「ボイジャー1号」の打ち上げに成功した。ケープカナベラル空軍基地からタイタンIIIEセントール・ロケットにより発射された同機は、今後、木星と土星の観測を経て、太陽系の果てを目指す前人未到の探査を開始する。
「ボイジャー1号」は、先に打ち上げられた「ボイジャー2号」と共に、NASAの壮大な惑星探査計画の要として設計された無人宇宙探査機。直径3.7メートルの高利得アンテナや、カメラ、分光器、磁力計、宇宙線検出器など11種の科学機器を搭載し、木星の大気や衛星、磁場の詳細なデータ収集が期待されている。
また、地球外知的生命体へのメッセージとして「ゴールデンレコード」と呼ばれる音声・画像を収めた金属製の記録媒体も搭載されており、人類の文化や挨拶、自然音などが収録されている。
ボイジャー計画の一環として、同機は木星には1979年、土星には1980年に接近する予定。さらに将来的には太陽圏の外、星間空間への到達が見込まれており、人類史上初めて太陽系の境界を越える探査機となる可能性がある。
「これは単なる科学の探査ではなく、人類の存在を宇宙へ伝える旅」と関係者は語る。今後の動向に、世界中の宇宙ファンと研究者たちの熱い視線が注がれている。
— RekisyNews 科学技術面 【1977年