【カリフォルニア州メンローパーク 9月4日】
4日、アメリカ・カリフォルニア州のメンローパークにおいて、新たなインターネット関連企業「Google(グーグル)社」が正式に設立された。創業者は、スタンフォード大学コンピュータサイエンス専攻の大学院生であるラリー・ペイジ氏(25)とセルゲイ・ブリン氏(25)。検索技術に革新をもたらすアルゴリズムを武器に、世界の情報の整理とアクセスの簡素化を目指す。
Googleの特徴は、同社が独自に開発した「PageRank」と呼ばれるアルゴリズムにある。これは、ウェブページ同士のリンク構造を解析し、情報の信頼性や関連性を数値化するもので、既存の検索エンジンに比べて極めて精度の高い検索結果を提示できるという。2人はこの技術をもとに、1996年から「BackRub」と名付けた原型システムを大学内で運用しており、今回の法人化によって本格的な事業展開に踏み切る。
当初の資本金はわずか100万ドル未満と小規模ながら、米シリコンバレーの投資家らがすでに注目を寄せており、スタートアップの聖地に新たな波を呼び込みつつある。
ペイジ氏は「世界中の情報を整理し、誰もが即座にアクセスできるようにする。それが我々のビジョンだ」と語り、ブリン氏も「検索はインターネットの核心。今後ますます重要になる」と自信を見せる。
インターネット人口の爆発的増加に伴い、膨大な情報の中から必要な知識に素早くたどり着く技術の重要性は日増しに高まっている。今後、Yahoo!やAltaVistaといった大手検索サービスを相手に、Googleがどこまで台頭できるかが注目される。
— RekisyNews 経済・IT面 【1998年】