超大型輸送機「スーパーグッピー」初飛行成功 宇宙開発時代を支える巨人機

【アメリカ・テキサス州ヒューストン 8月31日】
アメリカ航空宇宙産業に新たな一歩を刻む超大型貨物機「スーパーグッピー」が31日、テキサス州ヒューストン近郊で初飛行に成功した。全長43メートル、直径7メートルを超える巨大な胴体を持つこの機体は、NASAのアポロ計画を支えるために開発され、ロケット部品や大型機材の輸送を目的としている。

「スーパーグッピー」は、ボーイング377ストラトクルーザーをベースに、カリフォルニア州のエアロスペース・ラインズ社が大幅な改造を施したもの。従来の輸送機では困難だった直径10メートル級のロケット部品を一体のまま運ぶことを可能にした。初飛行は約1時間にわたって行われ、離陸・操縦・着陸すべてが順調に進み、関係者の間では安堵と歓声が広がった。

開発を主導したエアロスペース・ラインズの社長、ジョン・M・コンロイ氏は会見で「宇宙開発の進展には革新的な輸送手段が必要だった。スーパーグッピーはその答えだ」と語り、アポロ計画への貢献に自信を示した。

NASA関係者によると、今後はアポロ宇宙船やサターンVロケットの主要部品を、カリフォルニアやテキサスからフロリダのケネディ宇宙センターまで空輸する予定。これにより、従来数週間かかっていた輸送期間が数日に短縮される見込みだ。

一方、独特の丸みを帯びた外観から「グッピー(ハチェット型魚)」と呼ばれたこの機体は、航空愛好家の間でも話題を呼んでいる。人々は新時代の象徴として、初飛行の成功を歓迎している。

巨大な機体が大空を舞う姿は、アポロ計画を象徴する一幕として、航空史に長く記録されるだろう。

— RekisyNews 科学技術面 【1965年】

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