米惑星探査機「ボイジャー2号」打ち上げ 外惑星大巡航へ

 【フロリダ・ケープカナベラル 8月20日】

本日午前、米航空宇宙局は無人惑星探査機「ボイジャー2号」を発射し、上段分離後に惑星間軌道への投入を確認した。地上局は電波の受信と主要機器の初期作動を良好と発表、長期飛行に向けた点検段階へ移行した。

計画では、まず木星で重力アシストを行い土星へ向かう。外惑星の並びが数十年に一度の好機にあり、機体の健全性と観測成果しだいで天王星、海王星まで航路を延ばす選択肢も温存する。巨惑星の大気、磁気圏、環、衛星の詳細観測が主目標だ。

搭載機器は撮像装置、分光器、磁力計、荷電粒子・プラズマ計測器など。太陽から遠ざかっても電力を供給できる原子力電池を用い、深宇宙通信網経由で画像とデータを送る。長距離飛行を支える姿勢制御や記録装置の耐久性検証も重要課題となる。

探査機には、地球の挨拶や音、画像を収めた銘板付きレコードが搭載された。計画関係者は「科学観測に加え、人類から宇宙へのメッセージでもある」と語り、世界の注目を集めている。

今後は数週間かけて全機器を順次点検し、軌道修正を経て木星接近へ。同型1号機の追随も予定され、二機体制で比較観測と冗長性を確保する。太陽系外縁へ視界を押し広げる長旅が、きょう静かに始まった。

— RekisyNews 科学・宇宙面 【1977年】

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