「オレンジカード」本日発売 ―― 国鉄、切符購入をキャッシュレス化

【東京 3月25日】

日本国有鉄道(国鉄)は本日、磁気式プリペイドカード「オレンジカード」の販売を開始した。小銭を用意せずに切符が購入できるこの新システムは、まず首都圏の主要駅から導入され、駅の券売機前で日常的に繰り広げられる混雑の緩和と、利用者の利便性向上を狙う。鉄道の利用形態を根本から変える「キャッシュレス化」の急先鋒として、大きな期待を集めている。

オレンジカードは500円、1000円、3000円、5000円の4種類が用意され、5000円券には300円、10000円券には700円のプレミアム(おまけ)が付加される。使い方は至ってシンプルで、対応する自動券売機にカードを挿入し、希望の金額のボタンを押すだけで切符が発券される。残高はカード裏面に印字されるため、一目で使用状況が把握できる点も利点だ。

国鉄がこの時期にカード導入を断行した背景には、経営再建に向けた省力化と近代化の推進がある。窓口や券売機での現金取り扱いを減らすことで、駅業務の効率化を図ると同時に、カード自体に美しい写真やイラストを施すことで「収集アイテム」としての新たな付加価値も創出した。すでに初日の本日は、記念カードを求めて行列を作る熱心な鉄道ファンの姿も見られた。

専門家は「この技術は将来的に、切符を買わずに直接改札を通れるようなシステムへと発展する可能性がある」と指摘する。磁気カードという新しい情報の鍵を手にした国鉄が、民営化という大きな転換点を前に、サービスの質をいかに高めていけるか。オレンジ色の小さなカードが、日本の鉄道史に新しいスピード感をもたらそうとしている。

— RekisyNews 経済面 【1985年】

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